【81話】結婚式の招待状
図らずも復讐になってしまった話15年前になるが職場の同僚にイジメられた
何となく虫が好かないのが理由だったらしいが、こちらの仕事を意図的に落として上司に報告してた
こちらから連絡しても「連絡がなかった」ととぼけられた
最終的に俺の発言を露骨に聞こえないふりまでした
小学生みたいなイジメだけど、上司の一人が俺のことを
虫が好かない奴だと思っていて、二人して俺を落としまくった
俺の直属の上司がかばってくれたけど、問題の糞上司の方が立ち場が上なので焼け石に水
3年間我慢したけど精神的に追い詰められて、休職して部署を左遷された
新しい部署は環境も良くて頑張って係長まで昇進したが、
治療は今も続いていて薬を飲んでいても突発的に過去を思い出して体が動かなくなる
そいつから2年前に結婚式への招待状が届いた、正直何故?と思った
俺なんか足元にも及ばないほど出世して、同僚や部下なんていくらでも呼べるはずなのに
なんか裏があるんじゃないかと思って出欠の返事を出さないでいたら本人から直接電話が来た
「覚えてる?」とか「懐かしい」とか言いつつ出欠の返事がないので電話したって言われた
声聞いてるだけで当時を思い出して気が狂いそうだったっけど、
平静を装いつつ所用があるんで欠席するって返信したって嘘ついた
正直のこのこ行ってたら散々バカにされたり
おもちゃにされたりするんじゃないかって妄想が止まらなかった(何度も夢に見た)
「残念だ」とか「都合付かないか?」とか散々渋ってたけど、
こっちは平身低頭の演技で「ゴメン、祝電は打つから」って言って電話を切った
しばらくして庇ってくれた元上司と仕事の打ち合わせをすることになった
当時の事にお礼を述べつつ、今は元気でやってますとか世間話してたら、
その同僚の結婚式の話になった
「なんか酷かったらしいで」と話してくれたのは、
上司以外の職場の人間が全員欠席したということだった
近しい人達は何やかや理由をつけて全員欠席、
部下を動員しようとしたがこちらも家庭の都合などで欠席
割と大きな式場で、新郎側の数が少ないと目立つので昔の同僚にも招待状出しまくっていたそうな
「流石にお前のとこには送ってないやろ」と笑ってたので、曖昧に言葉を濁した
結局、取引先に動員をお願いしたが、当日はドタキャンが相次ぎ、
会社側の席は上司数人以外空っぽ状態だったそうな
祝電や花も殆どなかったそうで、新婦側の親族に相当突き上げられていたとのこと
俺も祝電送るって言ってたけど、面倒になってほっぽっといた
(どうせ山ほど祝いの品が届くだろうと思ってたから出さなくてもわからないよなと思ってた)
その後、職場の席表を見ると肩書は変わっていないようだけど部下が1人になっていた
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