【145話】教育実習
中学校の時、優等生のAにいじめを受けていた。そいつは中学生の割には頭が回る奴で教師の前ではいい子ぶる上証拠を上手く隠していやがった。
おかげでこっちが教師に文句を言っても「Aがそんな事をするわけないだろ!」と言われ相手にされなかった。
在学中に教科書を破かれたり志望校に送る内申書を隠されたり
便器を舐めさせられたりトラウマを植え付けられて卒業。
高校では、Aを見返そうと思って勉強に打ち込んでそれなりに頭のいい国立に進学した。
その後、教育実習のため再び中学に行ったらAがいやがった。
後ろでこっそり他の奴と話しているのを聞いていたら、どうやら採用試験にパスしたらしく、
来年からの配属の話で盛り上がっていた。
心底むかつたので、どうにかして地獄を見せてやろうとチャンスを窺っていた。
実習も終盤になったある日、学校で生徒とだべっていたら
生徒からAがモバゲーで女子生徒と私的にメールしているという情報をキャッチ。
メールしているという生徒に何げなーく訊いてみたら
「A先生が好きだったのでアドレス訊いたら、コッソリ教えてくれた」との事
更に、
「最近はA先生がエロトークに持ち込もうと必死で困っている」という情報まで手に入れた。
生徒にメールの内容を内緒で見せてもらって全部パソコンに保存した。
更に、自習後の打ち上げの後有志で二次会に行ったんだがAが
「俺って、中学生とかタイプなんだよね～。」等問題発言すれすれの発言を
していたのをコッソリICレコーダで録音した。
後日、自分のゼミの教授（地元の教育委員会とズブズブの関係）に
「実習中に明らかに問題行動を起こしている奴がいた」と溜めておいたデータを提出。
すぐさま電話で教育委員会に問い合わせると言ってくれた。
その後、実習日誌を回収するために中学に行ったんだが、Aは実習単位が取り消しになったという話を聞いた。
なんでも、例の女子生徒とデートに行ったところを生徒に見られてた上、教育委員会から査察が入った為
言い訳が効かなくなった学校側が単位を認めなかったそうだ。
Aの教員免許は消えたため、採用試験の合格も取り消された。
事が事だけに二度と教壇にはたてまい。
私は教授に今度お礼に行く予定である。
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