【41話】復讐を糧に
五・六年の担任(女 親も教員)が私のことを嫌っていて、結構いやな目に合わされた。その当時、その地区では珍しい私学受験の予定だったからかも。
子供は多少バカで勉強が出来なくても元気なのが良い、というのを曲解していて
バカで運動が得意な子ばかり可愛がって、頭は良いけど運動が苦手なタイプは出来損ない扱いだった。
そいつは私達が卒業した後に何故か地元に帰る事になっていたらしく、
改めて自分の地元の県の採用試験を受けたんだが見事に落ちてた。
家の母親はなんかの機会の時に
「落ちてよかったですね。もう先生はやらない方がいいんじゃないですか」と面と向って言ったのだと。
それぐらい家の母親も業を煮やしていた酷い奴だったんだよ。
その後、風の便りで「地元の美容師と結婚したものの、一人目を流産した」という話が伝わってきた。
当時の私の仲間連中(先生に嫌われてたメンバー)は誰も同情もしなかった。
ザマアミロって。
「教師も、同級生も、バカにした奴は皆、見返してやる。幸せになってね。」
これが私なりの復讐だった。中高一貫の私学で充実した六年間を過ごした。
最高学府を目指すほど頭は良くならなかったけど、大学は理学部に進学した。
そして今は何故か教員やってる。非常勤だけどさ。
あの頃、自分が味わった惨めな思いを味あわせたくないから
目立たない子、地味な子も均等に扱っていくように心がけてる。
目立つ奴の影で、そいつなりの良さを認めてもらいたくて
ひっそり咲いている小さな花のような子の力に少しでもなれることができたらいいな。
理想の子供像に当てはめるんじゃなくてね。
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