【197話】ソフトボール部
高校入ってすぐ、体験入部で訪れたソフトボール部に入るハメになった。「みんなが入ってくれないと折角作った部が潰れてしまう!
人数も私達6人だけでは試合すら出来なくて困っている。お願い!」
先輩に手を合わせられてはしょうがない、って感じで入部する事に。
そんな風に捕まった新入生が他に二人いた。
自分のユニフォームや名前入りのグローブを買うとその気になってきてw
怠け者の自分にしては結構頑張ってたと思う。
ただ当初からある先輩(A先輩とします)に、
「私ちゃんはちょっと太いから~w部活したら痩せるよ!がんばろーねっ!」
みたいに言われててそれがちょっとモニョった。
いや確かにピザだったんですけど。だから余計に火がついてたかも。
夏合宿も終わって真っ黒になった頃、顧問から「お前はピッチャーに育てる」と言われた。
ド素人でまだろくにバットも振れない自分でいいのか不安ながら凄く嬉しくて、毎日タオル振ってたよ。
そしたらその頃からA先輩がやたら突っかかるようになった。
それじゃダメ、から始まり最終的にはアンタ才能ないよ~辞めたら?とまで言われた。
それでも毎日練習出て頑張った。
丁度その頃、母方の祖母が認知症になった。
食事の用意が自分では出来ず、家の周りを徘徊するようになった。
ヘルパーさんも雇っていたけど、平日の練習終わりや日曜の午前練習終わりに手伝いで祖母宅へ行くように。
そんな中、ヘルパーさん不在と練習試合が被ってしまった時があった。
私を入れて9人のソフト部は、一人でも抜けると人数が足りない。
だから申し訳ないとは思ったんだけど、やっぱり祖母を一人には出来ないので
(父母は共働きで休日関係ない職だった)
顧問にだけは理由を伝え休ませて貰った。
後日、皆に謝罪した時は「相手の学校から一人入って貰って試合も出来たし、大丈夫だよ」と言ってくれたので安心していた。
次の日から何か様子がおかしい。どうもA先輩が「昨日○○駅(A先輩の最寄り駅)で私を見た」と吹聴してる。
勿論、事実無根。しかし他先輩からも一方的に責められ顧問にチクられる。
顧問も先輩達が口揃えて言うもんだから取り合ってくれず、しかも他生徒、先生達の前で
「私は祖母を認知症にしてまで部活休んだ!」と怒鳴り散らした。しかも一週間部活出禁命令。私涙目。
一週間後、先輩達と顧問に謝罪をさせられ普段通り練習に参加。
先輩達も許してくれた…のは表面上で、小さい嫌がらせをしてきた。
グローブを隠すとか、スパイクを埋めるとか、悪口を言って笑うとか、何かちまちまと。
元々先輩を良く思ってなかった一年仲間二人は私の味方をしてくれてたんだけど、
いい加減陰険なイジメに耐え切れずプッチン。ただ辞めるのは癪に障るので報復する事に。
Xデーは文化祭。
体育館で行われた外部自由参加の催しの中で、演劇部による「イジメのリアル(仮)」という演目が行われた。
主人公役は私。他出演者は一年仲間の二人と、演劇部の皆さん。
内容は、ソフトボール部で起こったイジメについてリアルに表現する、というもの。
勿論、全員ソフト部員の実名で演じ切った。A先輩役の人はとっても名演技でしたw
最後に「これは実際に私が体験した事です。私達は今日限りでソフトボール部を辞めます!」と、
一年三人声高らかに宣言して終了。拍手はまばらにあったw
「アイツの言ってる事は嘘!そんな事言ってない!あの子が悪いんだもん!一年の癖に生意気ふじこ!」
とA先輩はファビョって墓穴掘ってた。
イジメに加担した先輩方もまあ各々のリアクションを取ってくれて楽しめた。
先生方は強制参加だったので、締めとして顧問の前で三人並んで
「お世話になりました」と頭下げた時のあの顔www一生忘れないwww
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