【179話】呪詛
中学1年~2年で結構ひどい虐め受けてました。原因が容姿のことだったので、思春期の私にはとても辛かったです。
(今はお化粧で隠せますが…その頃は家でも学校でもどんな理由であれ中学生にお化粧はNGでした。)
陰口だったのが暴言→罵言と変わり、校舎横の裏道で小突き回されたり、お金を取られたりしました。
その癖証拠が残るような事はされず、その上「チクったらもっと非道いメに遭わせるから!」と
脅され、どうしようもなくて病んでました。
図書館が安らぎだったのですが、学校の図書館は虐めっ子らが巡回してくるようになり、
早退したり休んだりしては市立の大きな図書館で過ごしました。
そこで古い呪詛を研究した本を見つけました。
病んでた私はその中の一つを実行しました。かなり真剣だったと思います。
満願成就するはずの日が来ても何も起こらず、呪詛はそれきりでしたが
一ヶ月後に虐めっ子のボス女子が交通事故で死にました。
「やっぱ呪いは効いたんだ!」と思いましたが、喜びというより怖さの方が大きかったです。
(喜び5、罪悪感5、怖さ90って感じです。)
ボス女子は他の子(取り巻き)を使って私を虐めるような性格でしたが、
表向きは顔も可愛くて成績も優秀、先生の覚えもめでたい子でした。
クラスのみんなはシュンとして泣いている女子もたくさんいました。
虐めたボス女子はみんなに泣いてもらえても、虐められてた私が死んだ時は
そうならないんだろうな、と諦めに似た感覚で見ていました。
そして何故かお葬式に私と男子が代表で行く事になりました。
ボス女子の家に着いて焼香してると、泣いてるご両親にお礼を言われました。
その時、親族の方?か誰かが「あんな可愛い子がなぁ~世の中は不公平だわ、
死んでいいようなのがなんぼでもおるやろに」と言って、私の方をチラリと見ました。
(見られたというのはたぶん、私の被害妄想です。今思えばその人自分の後ろに居た気がするし。)
私はカッと血が昇って泣きながらわめき散らしました。
あまり記憶がありませんが、「私のような顔なら死んでもいいのか」
「毎日毎日ボス女子に・・と言われた」「お金だって取られた」「顔がマトモなら売りをさせたのにって笑われた」
「先生知らないでしょ?よくそれで偉そうにできるね」「死んだのは私が呪ったから」
「ざまあみろ」他、いろいろたくさん言ったと思います。
その後先生に押さえつけられて退散し、家に連れて帰られました。
私はそのまま部屋に引きこもりましたが、先生は母に今日あった事を告げ、
先方が非常にお怒りだから謝罪するよう勧められたそうです。
でも、一緒に行った男子が先生に口止めされてたにも関わらずクラス中にこの出来事を吹聴してました。
男子は学校の図書館の常連で、私とも時々話をしていたためか、私に同情的に話を広め、
さらに呪いが効いたことを強調して取り巻きも死ぬぞと脅していました。
事態を収拾するため学年主任が生徒を聴取し、呪いを恐れたのかボスの束縛が消えたからか分かりませんが、
取り巻き女子達が全部ボス女子に言われてやったと認めたため、ボス女子の家は逆に噂の的になりました。
結局、ボス女子家族は引っ越して謝罪の話はウヤムヤになりました。
先生は虐めに気付かなかったことと、一方的に私がおかしいと思った事を謝ってくれました。
どのみち私の家族も噂の的(呪った云々)となったため、引っ越ししました。
転校先には事情を話し、特例で一部お化粧を認めて貰えました。
男子にはお礼の手紙を送りました。
その後男子に彼女が出来るまで文通しましたが、最後の手紙には「あの頃ちょっと好きだった」と書かれてました。
復讐のつもりで呪詛しましたが、結果的にはお葬式で暴れたのが復讐となりました。
今となっては、もっと早くに色々と相談して解決すべきだった、
お葬式をぶち壊してご両親を悲しませるようなことはしなくて済んだかも、と思っています。
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