本当にあった復讐の話

復讐の話をまとめたサイトです

【129話】恩を売る

俺の嫁さんを中学時代いじめていた奴が俺の職場に入社してきた。
昔、嫁さんにつき合いを断られた腹いせに、嫁さんが所属してたバレー部の女動員して
身体と心に大怪我させやがった。
プライベートはあまり皆話さないので、俺の嫁さんのことをそいつは知らない。

俺も嫁さんの天敵だって知ったのは飲み会の写真を嫁さんが見たとき。
それでも3年以上黙って普通に接してきた、つかそいつの指導社員として過不足なく
仕事を教え込んだ。
そして、そいつが地方の(表でも裏でも)超有力者相手の仕事でミスって、そのまま
では有力者の顔を思いっきり潰す結果になることを知った。

トラブったときの解決策は俺しか知らない。


俺はそのままほっておき、そいつは有力者の顔を思いっきり潰した。
そしてその代償にと、顔に有機溶剤の強烈な奴を町のチンピラに浴びせられた。

その次の日、青くなったうちの部長に“寝ずに考えた”(ホントは3行前の時点で
わかってた)といって解決策を提案して採用され、なんとか丸く収まった。
社長からの褒美はそいつのクビ。
つってもクビにしてくれってんじゃなく、そいつのクビを取り消してもらった。
あとでそいつが俺と嫁さんの関係に気がついたとき、逆に復讐されないように
恩を売っておいただけだが。
一生顔に消えない傷を負わせただけで復讐は終わった。

そいつは尻ぬぐいしてもらった上に、昇進と引き換えにクビを取り消してくれた
俺に、嫁さんの正体を知った今でも感謝してる。
俺は“情け深い人”なんだと…本当は卑怯で暗い裏表のある人間なんだがな。

以上、まだ携帯電話もポケベルもなかった頃の話ですまん。

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