本当にあった復讐の話

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【52話】確認もしない教師

小学生の頃、ちょっとぽっちゃりでオタク風の女子がいた。
その子はある女子グループにいじめを受けていて、
その女子グループは標的を変えてはいじめを繰り返してるような陰険な奴らだった。

だから彼女へのいじめも唐突で、それまでは普通の
クラスメートとして仲が良かっただけに、教師は気が付かない。
しかし彼女にもプライドがあったのか、教師はおろか、友達にも一切そんな話はしなかった。
クラス中みんないじめには気が付いていたはずだけど、
誰かが何かする訳でもなく、卒業シーズンを迎えかけていた。
そんな中、いじめグループの標的もぽっちゃりちゃんから別の子へと変わっていった。

「あいつムカつくよね」

ぽっちゃりちゃんに同意を求める女子達。
馴れ馴れしげに、ついこの間までいじめていた事なんて忘れているかのようだった。
ぽっちゃりちゃんは黙っていた。
その間、女子達は標的の悪口を言い続けていた。


しかしついに、女子グループのいじめの事実が教師の耳に入った。
給食の配膳が始まる時間、グループは教師に呼ばれこれで終わったかのように思えた。
しかし

「〇〇さん(ぽっちゃりの名前)ちょっと来なさい」
戻って来た女子グループと入れ違いに、教師に呼ばれるぽっちゃりちゃん。
ぽっちゃりちゃんが何事だろうと不思議がっていると、教師はとんでもないことを言った。

「××さん(現在のいじめの標的)を率先していじめていたのはあなたなのね?
みんなあなたに言われて、××さんに酷いことしてしまったって泣いて謝ってたの…」

その時、ぽっちゃりちゃんの中で何かが壊れた。


それからまた数日して、校内では卒業式の練習が行われていた。
その日は6年生の賞状授与がメインで、校長、教頭、6年の担任教師と6年生が体育館にいた。

一人一人壇上に上がり、賞状代わりの新聞紙を手に戻ってくる。
ぽっちゃりちゃんの番になった。
みんなと同じように壇上に上がり、同じように新聞紙を受け取る。
だけどここからが違った。

校長先生の横におかれたマイクを手に、スイッチをいれ叫ぶ。
「A先生、××さんをいじめたのはBさん達で私じゃない。
なのにA先生は確かめもしないで私が悪いって決めつけた!」
それから卒業式当日も何事も無かったかのように過ぎ、
女子グループはそれ以上ぽっちゃりちゃんに関わろうとはしなかった。
先生はそのあとすぐに退職したらしい、まだ働き盛りだったのにね。

卒業式当日ではなく練習日を選んだのは、ぽっちゃりの良心。
それからぽっちゃりは大学まで進学、男女問わず友達に囲まれて楽しくやってます。

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