【406話】祖父が気に入らなければ殴る蹴るは当たり前、罰するときは壊れた竹刀で暴力をふるった。
尼崎の事件って俺の実家も似たような感じだった。祖父が家庭内で絶大な権力持っていて、剣道の上級段持ちだったから腕っぷしも最強だった。
気に入らなければ殴る蹴るは当たり前、罰するときは壊れた竹刀で(竹が割れて鞭みたいになる)暴力をふるった。
でも、お菓子とかお金は気前よく親戚一同に配る一面もあった。
よく言う飴と鞭ってやつが絶妙に上手かったんだと思う。
そんな生活だったから誰も逆らえず誰も逃げられなかった。
そして俺が高校に上がったころに事件が起きた。
祖父が母を襲っていた。
まだ母はギリ30代だったし、美人であったと思う。
気が弱く典型的な大和美人って感じ。
それを見た俺の中で何かが切れて、気が付いたら祖父の木刀で祖父を滅多打ちにしていた。
母が俺を取り押さえてなかったら殺していた。
そのまま血塗れの祖父を放置して母と逃げたからその後は知らない。
死んだという話は地元の友人から聞いてないし、警察が俺を探しているという話も聞いてないからたぶん生きてるんだろう。
かっとなって人を殺したっていう動機がよく分かったわ。
本当の殺意ってのがこういうことなのかというのを知ってしまった事が衝撃的。
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