【298話】肩パン
私は保育園に行った事がなく両親や祖父母とばかり遊んでいて、5歳までほとんど同世代と接する機会がなかったため
幼稚園では友達があまりいなくて一人で絵本ばかり読んでいる子でした。
母親がその事でかなり心配して先生に相談したり、
苦手なはずのママ友付きあいなどを頑張ってくれていたのですが、
そのママ友の子供(がかなり厄介な奴でした。
小学校に入学して同じクラスになり初めて会ってお互い自己紹介したのですが、
その頃はちょっと苦手かもと思っていたのですが友達もいなかったですし
母親どうしが仲良かったので我慢してずっと付き合っていました。
それからはずっとそいつと一緒に行動。
なぜかクラスメイトの男子の家を突き止めるとかいって
私を連れて尾行ごっこみたいなのをやったり、
私の家でひたすらお菓子を食べまくって暴れたりしていて
当時気の弱かった私は嫌だったけど為すがまま。時々我慢できずに断ろうとすると
大泣きして結局言いなりに。(嘘泣きだったらしいが結局気づかなかった)
席替えで私の後ろになると後ろから
ケシカスなどを投げてきたり色々ちょっかいをかけてきたり、
たまになんの意味もなく蹴ってきたり、乾いた雑巾で顔面を叩かれた時は驚きました。
これは当時の私は気づかなかくて後から母親から聞いた話なのですが、
手癖が非常に悪く私の持ち物を盗んだり、
あまつさえ私から盗んだ物をさも自分の物のように私にあげていたみたいです。
(母親は物を貰って喜んでいる私を見て言えなかったそうです)
これも後から母親に聞かされた話ですが、
その頃の私は初孫という事で祖父母に可愛がられていて、
なにかと小遣いを沢山貰っていてちょっとした小金持ちだったのですが、
うっかりそいつに金の在り処を教えてしまってあっという間に盗まれてしまったそうです。
その他にも色々やられていて、断ったりする事のできない自分が情けなくて毎日泣いていました。
次の学年に上がるまでの辛抱だと思って耐えたのですが、また同じクラスになってしまい、
去年とだいたい同じ事をされました。
後半はこのままじゃいけないと思い全力でそいつの事を避けて過ごしましたが、
毎日帰り道が違うのについてきて家の中まで入ってこようとするので、
家までダッシュで逃げて鍵をかけるという事を繰り返しました。
逃げ切れないと家に上がり込むので怖かったです。
友達もほとんどいなかったので相談もできず、
親にも心配かけたくなかったので言えませんでした。
それから卒業までそいつと同じクラスになることもなく、
友達もできてきて楽しく過ごしていたのですが、
4年生の時にまたそいつが絡んできてまた遊ぼうとか抜かしてきて、
今までそいつにやられた事やその時の悲しい、悔しい気持ちが溢れてきて、
もう言いなりになんてなりたくないと考えて思いっきりそいつの額に頭突きをぶちかましました。
そしたらそいつは泣きながら逃げて行ったので拍子抜けしましたが、
その日からそいつに合う度に腕を捻ったり肩パンなどを繰り返しました。
段々私を見るとそいつが一目散に逃げて行くようになるのが面白かったですが、
飽きてすぐにやめてしまいました。
今では中学も別々になって清々しています。
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