【245話】先生は悪魔か「災厄そのもの」になっていた。
小学校2年の時の担任が、今思えばロリコンだったんだろうけど、鉄棒で足を支えるに妙に足を撫でたり、「可愛いなあ」と後ろから頭を撫でる時になぜか片手で太ももの内側をすすっと触り続けたりされた。二人になると、背後からしゃがみこんで肩に手をおいて「ほら見てごらん」とか話しかけながら、もう片方の手でパンツの上から・・・・押して来たりする変態だった。
子供だったから、「話しかける」や「教える」と「触る」を同時にされると、「先生が話しかけてるんだから、聞かなきゃ、みたいな思考になって「触られている」という事を意識できなかった。
すごく気持ち悪くて怖かったけど、先生の話し方が優しいから、「先生が優しく話しかけてるのに」なぜ怖いのか自分で理解できなかった。
何が怖いのかわからないから、自分の中では先生は悪魔か「災厄そのもの」みたいな人間ばなれした恐怖の対象になっていた。
きょうちゃんという、体の大きな友達がいて、先生が怖いからいつもきょうちゃんにくっつくようにしてたらあまり触られなくなった。
どこか、遠足かなにかで、外(アスレチック広場みたいな公園?)に行った時に、きょうちゃんと行動してて、隠れんぼしよう!となった。
丸太のお城の階段の後ろにあるブロック塀の上に昇って、上からきょうちゃんをさがしてたら、先生が来るのが見えて、怖くて、ブロック塀を伝って、木の陰に隠れた。
ちょうど真下に、先生が来て、私を探してきょうちゃんも来た。
心臓の音が先生に聞こえないか怖くて怖くて、じっと二人を見ていたら、先生がきょうちゃんを抱きしめた。先生がそれから何をしてたのかは良く見えなかったけど、きょうちゃんは土と葉っぱの上に倒されて、動かなくて、人形みたいに見えた。
先生はきょうちゃんから少し離れて立ったまま、少しあたりを見回したような気がした。
何故か、「きょうちゃんが食べられた。先生はきょうちゃんを燃やして埋めるんだ」と思った私は、横に詰まれていた灰色のレンガ(コンクリート?)を一つ両手で取って、なぜかためらいなく手を離して真下に落とした。
多分、おどかすつもりだったんだろうけど(アニメでよくある「(小石)シュッ」「だ、誰だ!?」みたいな場面)当たったのか、先生が倒れた。
10分位じっとしてたけど、先生は寝てた。 きょうちゃんも寝てた。
(今思えば実際は数十秒だったのかもしれない)
風が寒くなって、先生も寝てるから大丈夫だ、と思って、ブロック塀から丸太のお城をつたって降りて、きょうちゃんの横に行った。
きょうちゃんきょうちゃんと揺すると、きょうちゃんは怖い先生怖いと泣いた。
きょうちゃんの泣き声で、先生起きないかな…とびっくりして先生の方を見たけど、先生は寝てた。
丸太のお城の下に、水がたまったブルーシートがあったから、泣いてるきょうちゃんを呼んで引っ張り出して、ひきずって先生にかけた。
ふとんが飛んで寒いといけないから、さっき落としたレンガを端に乗せて、もう片方には、落ちてた鉄の棒みたいのを乗せた。
夕焼けが綺麗なのに、すごく寒かったから、草を踏んで歩いて、ライオンの看板の所に戻って、誰か女の先生に暖かい紅茶を飲ませてもらった。
おにぎりも食べて、きょうちゃんも笑ってたから、怖かったのも寒かったのもすっかり忘れて、家に帰って「すごく楽しかった」とお母さんに言った。
夢だったのかなあと思ってた時期もあったけど、いつのまにか(時期的に遠足のあと位から)担任が紅茶をくれた女の先生になっていたから、何かあったんだと思う。
(その先生は大好きだったから、これからは毎日~先生とお話できるんだ!とお母さんに言ったのを覚えている)
新聞とかを確かめる勇気はない。
ひょっとしたら単に怪我して、そのあと他の学校に転校したのかもしれない。
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